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「経営・管理ビザ(在留資格「経営・管理」)」に関して、法改正前(現行制度)と改正後(予定または議論中の制度)を比較

  • MORI KENICHIRO
  • 10月22日
  • 読了時間: 5分

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東京都新宿区の在留資格許可申請(ビザ申請)、産業廃棄物許可申請、補助金、に強いライジングサン行政書士事務所代表の森憲一郎です。


今回のブログテーマは、「経営・管理ビザ(在留資格「経営・管理」)」に関して、法改正前(現行制度)と改正後(予定または議論中の制度)を比較」です。

改正案はまだ最終決定前・施行前の段階のものが多いため、「予定」「案」「見込み」と表現している点にご注意ください。

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はじめに:なぜ改正が議論されているか

日本ではこれまで、外国人が日本で起業・事業運営を行うための在留資格として「経営・管理」(旧「投資・経営」)ビザが使われてきました。

しかし最近、“ペーパーカンパニーによる不正取得”や事業実態の希薄さが問題視されるようになり、要件の見直し・厳格化を通じて、制度の信頼性や実効性を高めようという動きが強まっています。

このような背景のもと、「本気の起業家・実態ある企業だけを対象にする」方向で、改正案が議論されてきています。


以降、まず「改正前の要件・制度運用」、次に「改正後の予想される主な変更点」、最後に「起業家・事業者が知っておきたい注意点・対策」を見ていきます。


改正前(現行制度)の主な要件・制度運用


まずは現状(改正前)での制度の枠組みと要件を押さえておきましょう。


主な現行要件

在留資格「経営・管理」について、法務省出入国在留管理庁の公式説明には、以下のような要件が記されています。([法務省][2])


|要件|内容(改正前)|

|事業経営または管理活動|日本国内で事業を経営、または当該事業の管理に従事すること|

|経営・管理の経験|経営または管理に関する経験が3年以上あること(大学院等で経営管理を専攻した期間を含む)|

|独立した事業所の確保|日本国内に、事業の用に供する独立した事務所または拠点を確保すること|

|事業規模・資本金・雇用|通常、次のいずれかを満たすこと:・500万円以上の出資または資本金・常勤職員を2名以上雇用すること

|事業の安定性・継続性|単年度だけの利益や見込みではなく、継続的な事業運営見通しを示すこと(事業計画・収支予測等)|

|在留期間|初回は1年が一般的。更新によって2年・3年と延長され得る|


そのほか、実際の運用上は「事業実態の有無」「最低限の資金払込みの実績」「事業収益性・資金繰り見通し」などが厳しく審査されることが多く、書類の立証能力がカギとなっていました。


運用上の課題・緩み

実際には、上記要件を形式的にクリアすれば認められてしまうケースや、事業実態が薄いものの許可されるケースが問題視されていました。これが改正議論の背景です。


改正後(予定・案として議論されている)変更点:主な見直し内容とその意味

改正案は、2025年10月の施行を目指すという方向性で報じられています。以下、主な見直し点を挙げます。


主な改正点とその要旨


1.資本金要件の大幅引き上げ(500万円→3,000万円)

現行の500万円という資本金要件は「低すぎる」「ペーパーカンパニーを歓迎してしまう」という批判があったため、6倍の3,000万円以上とする案が有力です。

引き上げによって、資金基盤の厚い起業家・事業者を優先するという狙いがあります。


2.雇用要件の強化:常勤職員1名以上を義務化

改正後は、資本金要件だけでなく常勤職員を1名以上雇用することが必須要件になるという案が出ています。

この改正により、資本金だけでは要件を満たさず、実際に人を雇用する運営力も問われることになります。


3.「OR条件→AND条件」への切り替え

現行制度では「資本金500万円以上または常勤職員2名以上」のようないずれか満たせばよい(OR)条件が用いられていたものを、資本金条件と雇用条件の両方を満たす(AND)条件に変える案も指摘されています。

つまり、資本だけで勝負するモデル、または従業員雇用だけで補うモデルは通用しなくなる可能性があります。


4.更新時の申請書類の高度化・説明責任の強化

すでに2025年7月17日以降、経営・管理ビザの更新時には「直近の在留期間における事業内容・経営または管理活動の説明書」の提出が義務化されています。

また、更新審査では、これまで以上に事業実績・収益性・資金繰り・取引先・変更点等を具体的に説明できる書類が求められるようになります。

つまり、形式だけでなく本当に事業を運営しているかどうかが厳しく精査される方向です。


5.申請時の証明責任・立証書類の拡充

改正案では、単に要件を述べるだけでなく、各要件を証明するための具体的な立証書類がどんどん増える見込みです。例えば、資本金払込の実績、雇用契約書、労働保険・社会保険加入状況、業績・取引先実績などです。

また、事業計画書もより専門性・現実性を備えたものが求められる見通しです。


6.その他の見直し可能性

日本語能力の要件強化案も指摘されており、日常業務遂行レベルの日本語力を求める方向性も報じられています。

自宅兼事務所の禁止、共同オフィスや間借りオフィスの扱い見直しといった運用面の制限強化も議論されています。

将来的には、更新時にも改正後基準を求める方向性(すでにビザを持っている人にも影響を及ぼす)も見越されています。


行政書士に依頼することで、書類作成の負担軽減、申請不備による手戻りの防止、そしてスムーズな許可取得が期待できます。


ビザ申請、在留資格許可申請でお困りの方は、まずは専門家にご相談してみてはいかがでしょうか。


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