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ISO 26000と産業廃棄物許可:持続可能な企業経営の「責任」と「義務」

  • MORI KENICHIRO
  • 2025年12月19日
  • 読了時間: 5分

東京都新宿区のビザ申請(在留資格許可申請)、産業廃棄物許可申請、建設業許可申請、補助金申請、に強いライジングサン行政書士事務所代表の森憲一郎です。


今回のブログテーマは、ISO 26000と産業廃棄物許可:持続可能な企業経営の「責任」と「義務」」です。

はじめに:なぜ今、この二つを結びつけるのか?

企業の社会的責任(SR:Social Responsibility)に関する国際的なガイダンス規格であるISO 26000。そして、事業活動から生じる産業廃棄物の適正処理を国や自治体が担保するための許可制度

一見すると、ISO 26000は「推奨される行動指針」であり、産業廃棄物許可は「法律上の絶対的な義務」と、その性質は大きく異なります。しかし、持続可能な社会の実現という視点に立てば、この二つは企業経営において密接に結びつく、車の両輪のような存在です。

本ブログでは、ISO 26000が示す「環境」への責任と、産業廃棄物許可という「法令遵守」の接点を探り、企業がどのようにこれらの課題に取り組むべきかを解説します。


ISO 26000とは:社会的責任の「ガイドライン」

ISO 26000は、2010年に発行された国際標準化機構(ISO)の規格で、企業を含むあらゆる組織が社会的責任を果たすための手引きを提供するものです。

ISO 9001(品質)やISO 14001(環境)のような認証を目的としたマネジメントシステム規格とは異なり、ISO 26000は認証を伴わないガイドライン規格である点が特徴です。

この規格は、組織が取り組むべき7つの中核主題を定めています。

ISO 26000の7つの中核主題

  1. 組織統治

  2. 人権

  3. 労働慣行

  4. 環境

  5. 公正な事業慣行

  6. 消費者課題

  7. コミュニティへの参画及び発展

この中で、今回特に注目すべきは「4. 環境」です。


中核主題「環境」が示す責任と廃棄物管理

ISO 26000の「環境」の中核主題は、組織が環境に与える負荷を管理し、持続可能な資源利用を追求するためのガイダンスを提供しています。その具体的な課題として、以下の4つが挙げられています。

  1. 汚染の予防

  2. 持続可能な資源の利用

  3. 気候変動の緩和及び適応

  4. 環境の保護、生物多様性及び自然生息地の回復

  5. Shutterstock

廃棄物管理は「汚染の予防」と「持続可能な資源の利用」の核心

産業廃棄物に関わる課題は、上記の「汚染の予防」「持続可能な資源の利用」という二つの課題に深く関連します。

  • 汚染の予防: 組織は、排出物(大気、水、土壌)や廃棄物の発生を最小限に抑え、汚染を予防するための措置を講じる責任があります。これには、廃棄物を法規制に従って適正に処理することが不可欠です。

  • 持続可能な資源の利用: 組織は、原材料、エネルギー、水などの資源消費を効率化し、**再利用(リユース)再生利用(リサイクル)**を促進することで、廃棄物の発生を大幅に削減する責任があります。

ISO 26000は、これらの責任を果たす上で、「法令及び規制を遵守すること」を組織の基本的な期待としています。


産業廃棄物許可制度とは:「法令遵守」という絶対的な義務

ISO 26000が「こうあるべき」という推奨を示すのに対し、産業廃棄物許可制度は、廃棄物処理法に基づき、「やらなければならない」という法的義務を課すものです。

  • 排出事業者責任: 廃棄物を排出した事業者は、自らの責任において適正に処理しなければなりません。

  • 処理業の許可: 産業廃棄物の収集運搬や処分を他者に委託する場合、委託先の業者は、事業を行う場所を管轄する都道府県知事(または政令市長)の許可が必要です。

この「許可」は、単に紙切れ一枚の問題ではありません。

  1. 適正な処理能力の証明: 許可を取得することで、事業者は廃棄物を環境基準に則って安全に処理・処分する能力(施設、技術、経理的基礎など)があることを公的に認められます。

  2. 不適正処理の防止: 無許可の業者に委託したり、自ら不適正な処理を行ったりすることは、環境汚染を引き起こし、厳罰の対象となります。

ISO 26000の精神は、この「法令遵守」を土台として初めて成立するのです。


二つの結びつき:責任と義務の統合

ISO 26000と産業廃棄物許可の関係は、以下の図のように整理できます。

1. 法令遵守(義務)はSRの出発点

ISO 26000が組織に求める社会的責任の第一歩は、全ての適用される法令・規制を遵守することです。産業廃棄物許可制度の遵守、すなわち「法定の許可を持つ業者への委託」「自社処理施設における適正な処理」は、企業がSRを語る上での最低限の前提条件となります。

2. SR(責任)は義務を超えた改善を促す

ISO 26000が目指すのは、法令遵守のその先です。

  • 単に許可業者に委託するだけでなく、より環境負荷の低いリサイクル技術を持つ業者を選定する。

  • 法令で定められた排出基準を守るだけでなく、「汚染の予防」の観点から、そもそも廃棄物を出さない工程改善(発生抑制:リデュース)に積極的に取り組む。

ISO 26000の導入は、企業に対し、廃棄物管理を「コスト」や「義務」としてではなく、「社会への貢献」として捉え直し、自主的なレベルアップ(例えば、リサイクル率の向上や最終処分量の極小化)を促すきっかけとなります。


まとめ:持続可能な企業価値の創造へ

ISO 26000と産業廃棄物許可制度は、一方が社会的責任(SR)の理念を、もう一方が環境保全のための法的枠組みを担っています。

企業が真に持続可能な存在となるためには、ISO 26000の精神に基づき、廃棄物管理を法令遵守(産業廃棄物許可の遵守)という絶対的な土台の上で、さらに発生抑制・資源循環という高次元の責任へと昇華させていくことが求められます。

廃棄物管理の適正化は、単なるリスク回避ではなく、企業の信頼性向上持続可能な企業価値の創造に直結する重要な戦略なのです。

ISO 26000に関するより詳細な情報や、貴社の廃棄物管理体制の見直しについてご相談があれば、いつでもお声がけください。


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